shilog

ログです。

Fallout3

シドニーとは戦闘の最中で知り合った。
今回の依頼は文書を探すために向かった公文書館。エントランスを抜け、とりあえず中央ホールにでも向かおうとすると人影。ホールはいくつかのパーティションで無造作に区切られており、視界を遮っているが、隙間からなんとか見える中央奥の土嚢の影に立っている。攻撃の意思が無さそうなので挨拶がてら近寄ってみると「あぶない、気をつけろ!」といわれても別に周囲に敵の姿もチッチッチッチドカーン。ヂライもん炸裂。パワーアーマーが無ければ片足にサイボーグ手術する破目になる所だ。文句の一つでも言おうと思う側から「もうすぐスーパーミュータントに囲まれるから。あんたも戦う気あるならこっちきて。」ミュータント戦は予想していたので一も二も無く。地雷に注意しながら土嚢の影へ。なるほど不自然な区切りは視界対策か。でも……こんなに構えなければならないほど敵は多いのか?

チガ、、、カークレテイテモワカッテイルゾウー
。不快な叫び声が階段を駆け上がってくる。
「来た。自己紹介なんかは後ね。声の数では左右4,4てとこね」正面からもくるんじゃ?「きっとデカブツがくるよ。でもまあ、たどりつければだけど。」
最初に左方から二匹のスーパーミュータントが突進、し始める端から地雷をきれいに踏む。ィダィー!すかさずシドニーが10mmサブマシンガンを叩き込む。たまらず倒れるミュータント。と、そのまま順番待ちをしていた後ろのミュータントも一気に頭部破壊。ドミノの様に緑の巨人。効率のいい事だ。
そのまま右方からの二体も問題なく倒す。簡単に倒せたが奴らの武器は棒切れ(それでもバケモノが持てばたいした鈍器)。重火器で武装されると急ごしらえのトラップではどうしようもない。
「お前の、チオ、ノンデヤる」正面からミニガンをガラガラぶん回しながらヨタヨタやってくる二体。目的のわからん攻撃であるが、とにかくかんたんなバリケードは今にもは破壊されてしまうだろう。
どうする?「地雷…は巻き込まれるしグレネードも同様。火力の高い銃で弱点一斉攻撃しかないね。あんたの武器は?」手持ちじゃコンバットショットガンが最強。「そこそこいけるね。私は10mmサブマシンガンシドニー特製。これでいっせいにやつらの頭部をミンチスペシャルってことでどう?」異議なし。「じゃあ始めるよ!」
「死ねい」とミュータントが言うが早いかマシンガンの連射をミュータントの脳部へひたすら打ち込む。負けじと隣のミュータントにショットガンをジャコン!ジャコン!とぶち込む。拡散しながら後方へ吹き飛ぶミュータントの頭部。引きずられるように倒れていく全身。一体完了、あとは?相当数の弾丸を食らったが破壊されることなくギリギリ生きている。シドニーにリロードの隙があるとみるやミニガンで腹を殴りあげるミュータント。数メートル後ろへ飛ばされるシドニー。そのままミニガンの餌食にする気か!私はすかさず右手のシシカバブに炎を纏わせた。敵の頭を狙い、渾身の力で刀を右に薙いだ。燃えながら後ろへと飛ばされていくミュータントの頭。砲弾のようだ。
「一応終わったようだね。礼を言っとくよ、助かった。私はシドニー。ここでちょっとした文書をさがしてる。あんたもその口だろ?」どうしてわかった、と聞きかけて止めた。ここは公文書館。歴史上の重要な文書をとっておく所。図書館なら技術情報なども拾えるからまだしも、公文書館にある文書の殆どは歴史関連資料だろう。そんなものは珍品コレクターか歴史研究者(まだ残っているのなら、だが)ぐらいしか欲しがらない。そんなものをミュータントがうじゃうじゃいる所へ探しにいこうなんてよっぽど金に困ってるかおひとよしだろう。自分はそのどちらかといえば、どちらもだろう。契約の際キャップ交渉では粘るが、目的を果たした後に受ける感謝の言葉はなかなかわるくない。こんな世界だからこそ言葉は重い。ただし捉われすぎれば命を落とす事も有るが。
「目的が同じなら、どうだい、共闘してみないか?二人の方が効率いいんじゃないか?」少し考え、私は承諾した。こいつは信用できる。なにより私が最初に地雷を踏もうとした時に警告してくれた。少なくとも人を見たら財布や鞄と思うレイダーのような奴では有るまい。まあ、最悪報酬の分配段階で揉める事もあろうが。よし。よろしく。私はパプリカ。さて、次はどうすればいい?「まずこの部屋の中央にエレベーターが有る。そこから…」シドニーの話を聞きながら、私は相手の服に潜り込ませることが可能なグレネードを物色していた。できれば使いたくないし、使わないで済むに越した事は無い。が、用心が足りずに死ぬのは御免だ。
「地下二階の奥に書庫があるんだよ。そこへ行くよ。」シドニーは書庫へと続く階段の扉を開けた。遠くにミュータントのうめき声がする。先は長そうだ、私はショットガンを腰にひきつけ、歩き出した。