shilog

ログです。

Fallout3

とある旧建造物に作られたグールの町で、私はグールの紳士(戦前のスーツを着ている辺り、グールとしてはかなり紳士だろう)から数人の差別主義者を殺してくれとの依頼を持ちかけられた。グールは醜い。体細胞が崩壊している、というのか、個体によっては悪臭も酷い。だからといって差別はどうだ。聞くところに拠れば奴隷としてはもちろん狩の的だとか清掃対象だとかすっかり物扱いだ。ひどい話とは思わないか?外見が醜いからなんだってんだ。人は見かけじゃない。人の価値ってのは、私に、キャップや薬品、弾薬その他有用な物をどれだけくれるかで評価されるべきだ。その点この旦那は報酬をくれる。価値の有る存在だ。人殺しは好きじゃないが、グールを奴隷扱いする結果そのグールが産むかもしれないキャップを私が得られないと言う事だ。私はこの依頼を受ける事にした。

ターゲットは3人。一人目は自称小さな国の自称国王。カンタベリー・コモンズ辺りから随分あるいてようやく見えてきたその国は数件の家をフェンスで囲んだだけのお粗末な国のお粗末な王様だ。依頼は殺害だが、出来るだけ殺しはしたくない。死んだ事にして誤魔化してやった方が楽かもしれない。門番役の子供を軽く言いくるめて国王陛下への謁見を許可された。余計なお世話だろうがこの国の国防は大丈夫か?
謁見した国王は尊大な人物だった。玉座に座り情婦を二人左右に侍らせている。玉座といってもソファーでしかないがこの国のGDPではしかたあるまい。どう挨拶したものか思案していると国王ときたら口を開くなり24時間以内の国外退去を命じてきた。あんたの役に立つかもしれないんだぞ。基本殺しに来たんだけど。国の様子などを聞いても要領を得ない。それどころか入国にキャップを要求してきた。口調を荒げて拒絶すると王様は名前を真っ赤にして怒りだした。だめだこりゃ。相手が武器を構えるまえに右手のコンバットナイフは国王の頚動脈を切り裂いていた。傲慢な王を気取るなら護衛をつけるべきだろうに。2人の女は物陰で頭を抱えてうずくまっている。王から依頼達成の証拠の品を探り取ると国をあとにした。次期国王の善政に期待しよう。世継ぎが居るのかは知らないが。