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ログです。

「BORN TO RUN」読んだ影響から、生き物の進化についてもう少し掘り下げてみたくなったので図書館へ行ったら目に付いた本。

みんなの進化論

みんなの進化論

生物の事から人間同士の日常から進化論に絡めて色々説明する本。キリスト教の強い国において進化論を説明する大変さが非常に伝わってくる。そんな事は前提にして話を進めればいいのに、という箇所がそこかしこに。かといって平易かといえばそうでもない。あくまで進化論の紹介という視点で描かれているため進化論と関連用語そのものに対する説明がほとんどない。「自然選択」とか。そっちが知りたいのに。
その辺りを置いとくと序盤は楽しく読める。強くて餌を獲得するのが得意なサルを集めた
コミュニティと狩りが苦手なサルのみを集めたコミュニティの数世代後とか。強い方が育ちそうだが殺伐とした群れになりむしろ駄目だったほうのコミュニティの方が優れている、とか。人の個体個体の思考はより大きな目的を意識せずとも日常の多数の選択に翻弄される感じとか。事例を挙げてそれを進化論に絡めての語り口は楽しい。
ただし後半は話が広がりすぎて良く解らなくなる。
宗教の成り立ちは進化論がコントロールしてきた、とかそういうのはまだいいんだけど。「人間についても究極的には蜂などの集団に見られるように一つの個体の構成細胞として存在する事が進化論的」みたいな事になってしまっては自分は「幼年期の終り」でも読んでいるのかと。
まあところどころ面白い部分はあった。やはり進化論そのものの説明を読みたい。今現在だいたい正当なんじゃないかと思われている理論を知るにはどこから手をつければいいんだろう。やっぱりドーキンス辺りからなのか。